2023年3月24日
2023年3月24日
住宅を狙った空き巣や強盗の被害について、ニュースで報道されることも多くなりましたよね。被害の報告が近所でなかった場合でも、「自分の家の防犯は大丈夫かな?」と少し不安になったりするものです。不安を感じた際に検討したい防犯対策のひとつが、窓ガラスを防犯ガラスに交換することです。しかし、ガラスごとの違いをよく知った上で導入しないと、思ったより効果が出ない可能性があります。
本記事では、空き巣対策として防犯ガラスの導入を検討している方向けに、ガラスごとの防犯性能の違いや防犯ガラスの効果と特徴などについて解説します。
防犯設備士の資格所持
ガラストラブル解決歴20年以上
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そもそもなぜ、空き巣対策をする上で防犯ガラスが重要になるのでしょうか?
財団法人都市防犯研究センターが元窃盗犯に聞き取った調査によると、侵入に要する時間が5分を超えると7割以上が侵入を諦めると回答しました。つまり、空き巣が侵入を試みるのに5分以上耐えられれば、住居を守れる可能性がかなり高くなるのです。多くの建物部品の防犯性能は、この「5分」という長さを基準として測定されています。
防犯ガラスは容易に割ることができず、窃盗犯が室内に侵入するまでの時間を稼いでくれます。そのため、住居の防犯対策として効果が高いと言われています。
さらに警察庁のデータの中から、空き巣の侵入経路を確認してみましょう。
空き巣を含む侵入窃盗の侵入手口のうち、最も多いのは「無締り」、つまり鍵のかけ忘れによるものです。その無締りに次いで多いのが、「ガラス破り」になります。また、一戸建て住宅の侵入口としてずば抜けて多いのは「窓」で53.5%と高く、共同住宅の場合でも「窓」からの侵入は表出入口(玄関)に次いで2位となっています。これらのデータから、侵入窃盗犯は窓からガラスを破って入るケースが多いことが分かります。窓ガラスを防犯ガラスに交換することは、防犯対策をする上で非常に重要だということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
空き巣を防ぐには、防犯ガラス以外にもいろいろな対策があります。
ドアの防犯については、補助錠を取り付けて破るべき錠を増やす、ガードプレートを取り付けるなどの方法があります。
窓の防犯については、サッシに補助錠を取り付ける、窓ガラスを防犯ガラスに変えるか防犯フィルムを貼り付けるなどの方法があります。
それ以外にも、住居周りに空き巣を寄せ付けないために、以下の対策も有効です。
・センサー付きライトを設置する
・カメラ付きインターホンを設置する
・オートロックシステムにする
・見通しの良いフェンスを設置する
・庭先に玉砂利を敷き、人が歩くと音が鳴るようにする
本記事では主に防犯ガラスによる対策について詳しくご紹介しますが、上記のような対策も組み合わせると、より防犯効果が高まります。
実際に、通常のガラスと防犯ガラスとでは、どれくらい防犯性能が異なるのでしょうか?ガラスの中には内部に網が入っているものもあり、侵入時の破られにくさという面では「網入りのガラスでもよいのでは」と思う方もいるかもしれません。
こちらではガラスの種類ごとに、防犯性能がどれくらいあるかを確認してみましょう。
単板ガラスとは、1枚だけで構成されている単一の板ガラスを指します。昔から住宅の窓に使われてきたガラスです。ふたたび警察庁の資料で、バールによる打ち破り実験の結果を見てみましょう。単板ガラスの場合は板の厚さが3ミリでも5ミリでも短時間で破壊されてしまい、防犯の効果がないことが分かります。ガラス1枚のみで割れやすく、仮に厚みがあったとしても防犯性能はほぼ皆無であると言えます。
網入ガラスとは、ガラスの内部に金網(ワイヤー)の入ったガラスを指します。網入ガラスは見た目には防犯性能が高そうに見えますが、用途としては防火用です。火災時に熱でガラスが割れると火炎が貫通して延焼などを引き起こすため、金網でガラスが割れるのを防ぐ構造になっています。
同じ警察庁の資料より網入ガラスの防犯性能を見てみると、フロート板ガラスと同様にすぐに割られてしまうことが分かります。ガラスを割る時の音が小さくなりがちなのも問題です。ガラスを割る時の音が大きいほど近所に気づかれやすいため、空き巣の侵入を防ぎやすいと言われていますが、網入ガラスはガラスが飛散しづらく割れた時も音が小さいという指摘があります。かえって空き巣に狙われてしまう可能性もあるので、防犯対策が必要な箇所に通常の網入ガラスは使用しない方が良いでしょう。
防犯ガラスは、2枚以上のガラスの間に樹脂製の強靭な中間膜を挟みこみ、熱で圧着したガラスです。中間膜が衝撃を吸収してくれるため、外からの打撃で貫通しにくい構造になっています。
バールによる打ち破り試験では、打撃を7回加えた所、クモの巣のような放射状の亀裂が入るのみで侵入に十分な大きさの穴はあかず、防犯性能の高さが実証できました。板ガラスや網入りガラスと比べて、空き巣を防ぐ効果が高いガラスであることが分かります。
防犯効果の高さは侵入窃盗犯にも知れ渡っており、防犯ガラスにしているというだけで空き巣の標的にされにくくなります。
官民一体で開かれた合同会議において定められた、厳しい審査基準をクリアした商品にのみ与えられるのが防犯建物部品共通標章(CPマーク)です。CPマークが貼付られているガラスは、一目で優秀な防犯ガラスだと分かります。このCPマークがついているだけでも空き巣の気をくじくことができるでしょう。
防犯ガラスは導入することでほかにも嬉しい効果が得られます。他の特徴を順番に確認してみましょう。
空き巣の手口として多い「こじ破り」は、ドライバーで窓と窓枠との間を狙い、鍵の近くをこじ破ってロックを解除する方法です。手を入れてロックを解除できるほどの穴があけば、すぐに侵入されてしまいます。1枚板のガラスでは一撃で済んでしまいますが、防犯ガラスであれば小さな穴をあけるにも時間がかかります。割れるまでに時間がかかることを空き巣は嫌がるため、自然と防犯ガラスのある家を避けるようになります。
防犯ガラスは樹脂などでできた中間膜があるため、割れた場合のガラスの脱落や飛散を防いでくれます。そのため地震などの自然災害時に被害を小さくしてくれます。防犯用途とは直接関係はしませんが、住人の安全を確保する上では効果的といえます。
合わせガラスは2枚の板ガラスが向かい合う形となっており、共鳴という現象を起こして外の音を透過しやすい特徴があります。防犯ガラスも2枚以上の板ガラスが向かい合った形をしていますが、間に中間膜を挟み込むため、音を透過しにくいです。ただし、複層ガラスや二重サッシなどを使用する防音対策よりは効果が得られないので、防音性を重視するなら複層ガラスや二重サッシなどを併用するのがおすすめです。サッシ部分からの音漏れを防ぐ対策も、同時に行うのがよいでしょう。
一般的な防犯ガラスの中間膜にはPVB(ポリビニルブチラール)という素材が使われていますが、このPVBはUVカット率も非常に優秀で、99.9%といわれています。防犯ガラスのUVカット性能が高いというのはあまり知られていませんが、住居の窓に使う上では大変嬉しい効果だといえます。
ここまで見てきたように、防犯ガラスだけでもかなりの防犯効果が期待できますが、他の対策を組み合わせることでより確実性が増します。こちらでは防犯ガラス以外に取れる対策について見ていきましょう。
窓ガラスとセットで考えたいのが補助錠の設置です。防犯のために効果的な考え方として、「ワンドア・ツーロック」というものがあります。ドアや窓に最初から設置されている鍵だけではなく、新しい錠前や補助錠を追加し、防犯性能を高めるという考え方です。鍵が多いのは空き巣からも容易に見て取れるため、そもそも侵入を試みようとしないと言われています。
窓の補助錠は、サッシやレールの間に差し込むタイプやサッシに貼り付けるタイプなどがあり、ネットショップやホームセンターなどで入手することができます。
ホームセキュリティサービスは、住居に何か異常があるとセキュリティ会社に通知が送られ、対応してくれるというサービスです。窓やドアの破壊はもちろん、サービスによっては侵入者の体温を検知したり、ガス漏れや煙の発生、温度上昇などを検知したりすると警備員が駆け付けるようになっています。身の危険を感じた場合の非常ボタンなども設置できる場合があります。費用面がネックになる方法ではありますが、検討してみても良いでしょう。そこまで費用がかけられない場合、「防犯カメラ作動中」といったステッカーを貼ったり、ダミーのカメラを設置したりしても一定の効果が得られると言われています。
同じ2枚のガラスを使っていても、防犯ガラスとペアガラス(複層ガラス)とは構造が異なります。ペアガラスとはどんなものなのか、防犯ガラスとの違いについて解説します。
防犯ガラスは、2枚のガラスの間に中間膜を挟みぴったりと圧着させたガラスである、と解説しました。では、ペアガラスとはどのようなものでしょうか。
ペアガラスは同じく2枚のガラスを使用していますが、ガラスとガラスの間に空気やガスの層があり、空間があることが最大の違いです。ペアガラスは主に断熱効果を得るためのガラスで、結露も防いでくれるという特徴があります。
「防犯ガラスの防犯効果と、ペアガラスの断熱効果、どちらも手に入れたい」という方もいるかもしれません。そういった方のために、2枚のガラスのうちどちらかを防犯合わせガラスにした防犯合わせペアガラスというものもあります。室内側を防犯合わせガラスにする例の方が多いですが、用途によっては室外側の方が効果的な場合もあります。設置を検討する際には業者によく確認すると良いでしょう。
防犯ガラスとよく似た言い回しのガラスに「強化ガラス」があります。その名前から割られにくいイメージを持つ方が多いのですが、強化ガラスはどういった性能のものなのか、防犯ガラスとの違いを解説します。
結論からいえば、強化ガラスの強度は防犯ガラスほど高くないため、防犯効果はあまり期待できないといってよいでしょう。
強化ガラスはどちらかというと安全面を重視するために開発されたものです。割れたときに大きな破片が出ず、小さな粒状になるのが特徴です。学校などの施設で利用されているように人がぶつかるなどの衝撃には強いですが、先のとがった鈍器で強くたたく行為には弱いと言われています。
具体的には、強化ガラスの強度は板ガラスの3~5倍と言われますが、防犯ガラスほどの強度はありません。強化ガラスは名前のせいか、防犯ガラスの代わりになるという誤解が生まれやすいガラスですが、防犯ガラスの代わりにはならないと思ってください。
強化ガラスは安全面を重視するために開発されたとご紹介しましたが、日常においては人が触れやすい場所、何かがぶつかる可能性のある場所によく使われます。学校以外でも、ガラステーブルトップや店舗・自宅などのディスプレイ棚などでよく使用されています。強い力がかかると大きな破片を出さずに粒状になるため、割れた破片に触れて怪我をするといった事故が減ります。
ガラスによる日常的な傷害事故を減らしたいときには、強化ガラスを使用するのも良いでしょう。
地震が起きた際、ガラスの割れた破片は避難などの妨げになります。地震対策という意味では、防犯ガラスなどの合わせガラスと強化ガラスのどちらが優れているでしょうか。
強化ガラスは衝撃が加わると粒状に砕けますが、防犯ガラスはそもそも中間膜の働きで破片が飛散しません。地震では高層階などの上部から割れたガラスが下へ降り注ぐ危険もあるため、破片が飛散しない防犯ガラスの方がより優れていると言えます。強化ガラスに地震対策を施すのであれば、別途飛散防止フィルムなども活用すると良いでしょう。
上の項で解説した地震対策の内容と似ていますが、台風の際にも強い風雨、外から飛んできたものによる衝撃などでガラスが割れる可能性があります。細かい粒状になるとはいえ破片が散乱する強化ガラスより、防犯ガラスの方が台風対策には適していると言えるでしょう。
本記事では、防犯ガラスの特徴やペアガラスや強化ガラスとの違い、防犯以外の効果などについてご紹介しました。空き巣対策に大変効果的な防犯ガラスですが、その他のグッズと組み合わせることで、さらに安心安全な住まいを整えることができます。地震や台風の対策としても有効なため、ぜひ防犯ガラスの導入を検討してみてください。
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