2023年7月5日
2023年7月5日
津久井 勝
株式会社スマイルレスキュー
代表取締役
防犯設備士の資格所持はもちろん、鍵トラブル解決歴20年以上の経歴を持つ。現在は住まい系トラブル解決サービスを行う会社を経営中。
自転車の鍵が開かなくなるとどうしていいかわからず、焦ってしまうものです。そのような状況に直面したときには、冷静さを保ち、適切に対処法することが重要です。この記事では、自転車の鍵が開かなくなったときの対処法などについて、詳しく解説しています。
自転車の鍵は、大きく分けて4種類あります。
・前輪錠(箱錠・前錠)
・リング錠(馬蹄錠)
・ワイヤー錠
・U字(シャックルロック)
自転車の鍵を選ぶ際には、自転車の価格や駐輪場所の状況を考慮して、適切な鍵を選ぶことが大切です。自転車の価格が高い場合は、盗難防止効果の高い鍵を選ぶ必要があります。また、自転車を駐輪する場所が治安が悪い場合は、より頑丈な鍵を選ぶ必要があります。
以下では自転車の鍵の種類について詳しく解説します。
前輪錠は「箱錠」や「前錠」とも呼ばれています。箱型の錠に鍵穴と金属棒がついているタイプで、金属棒を押すことで鍵が抜け、ロックが掛かります。
昔の自転車には購入時から前輪錠が取り付けられていました。
前輪錠の仕組みはシンプルなため、器具があれば解錠できてしまいます。前輪錠を固定しているネジを外すと外せてしまうなど、防犯性能は高いとは言えません。
鍵を紛失しても自力で対処しやすいというメリットがある反面、壊されやすく盗難防止の効果は薄いため、最近の自転車には取り付けられていないことが多いです。
前輪錠に代わって、自転車の後輪に標準装備されている円形の錠です。形が馬蹄に似ていることから「馬蹄錠」とも呼ばれています。
鍵を差し込むことでロックを解錠できる「シリンダータイプ」と、暗証番号を入力することで解錠できる「ボタンタイプ」の2種類あります。
施錠すると金属棒が押し出されて、後輪が動かせないようにロックします。
前輪錠よりも防犯性能は高いものの、マイナスドライバーなどの工具があると解錠できるため、鍵を紛失したり暗証番号を忘れた場合でも対処がしやすいと言えます。
軽量で持ち運びしやすいのがワイヤー錠です。柵や柱などにワイヤー錠と自転車を繋いでおくことで、盗難を防ぐ効果があります。ワイヤー錠には鍵で開けるシリンダータイプと、番号で開けるナンバーダイヤルタイプの2種類があります。
シリンダータイプのワイヤー錠は、鍵穴が波状やいくつかの窪みが彫られているウェーブキーやディンプルキーを採用しています。
ナンバーダイヤルタイプも、登録している3~4桁の暗証番号が分からなければ解錠することができないため、高い防犯性能が期待できます。
低価格のワイヤー錠はワイヤーが細いため、鍵を紛失したり暗証番号を忘れた場合は、ワイヤーカッターやニッパーで切断することが可能です。
価格は高くなりますが、金属製のジョイントとナイロンチューブで構成されているジョイントワイヤー錠は、ワイヤーカッターで切断することが難しく、不正解錠もできないため防犯性能が高くなります。そのため、ジョイントワイヤー錠の鍵を紛失したり暗証番号を忘れた場合は、鍵屋に依頼する必要があります。
U字(シャックルロック)とは、U字型の金属製の鍵で、自転車のフレームやタイヤに固定して盗難を防ぐための錠です。頑丈な上に鍵穴にディンプルキーを採用しているため、ピッキングや破壊が難しく、盗難に強いことが特徴です。サイズや重さ、素材の種類が豊富なため、自転車のサイズや用途に合わせて選ぶことができます。
防犯性能が高いこともあり、自力でのピッキングや、工具を使っての破壊は大変困難です。スペアキーを使って開けるか、鍵屋に依頼して解錠して貰う必要があります。
自転車の鍵が解錠できないと焦ってしまうものです。どうすれば良いかも分からず、途方に暮れた経験をした人も多いのではないでしょうか?
鍵が開かなくなった時は、慌てずに次の方法を試してみてください。
・潤滑剤を使う
・鍵をカットする
・鍵屋に依頼する
以下では、鍵が開かないときの対処法について解説します。
自転車の鍵が開かなくなったとき、まず試してみるべき対処法の一つが潤滑剤を使用することです。以下に、潤滑剤を使う方法を解説します。
1.適切な潤滑剤を選択する
グラファイトパウダーやシリンダーグリースなど、鍵の潤滑に適した専用の潤滑剤を選びましょう。市販の潤滑剤は一般的に自転車用品店やホームセンターで入手可能です。
2.潤滑剤を挿入する
鍵穴に少量の潤滑剤を挿入してください。細かい先端のチューブや注射器を使用すると、潤滑剤を正確に鍵の内部に注入できます。潤滑剤を鍵に均等に行き渡らせるために、鍵をいくらか回してみると効果的です。
3.動作確認をする
潤滑剤を挿入したら、鍵を何度か回すことで潤滑剤が鍵の内部に行き渡り、固着していた部分が解放される可能性があります。
4.必要に応じて繰り返す
鍵がまだ開かない場合は、手順を繰り返してみてください。しばらく時間をおいて再度挑戦することも有効です。適度な力と注意を払いながら鍵を操作し、潤滑剤が周囲に飛散しないように注意してください。
鍵が壊れていない場合、潤滑剤を使用することで鍵の動作が滑らかになり、開錠できる可能性が高まります。ただし、もし鍵が壊れていると思われる場合は、専門の修理業者に相談することをおすすめします。
潤滑剤を使用する方法は、すべての鍵に対して効果があるわけではありません。鍵自体が摩耗していたり、内部のピンが正常に機能していなかったりする可能性があるため、そのような場合は鍵の修理や交換が必要となります。
ワイヤー錠の鍵を紛失した場合は、ワイヤーを切断することで解錠することが可能です。手順は次の通りです。
1.鍵を切断するツールの準備
鍵を切断するためには、適切なツールが必要です。ワイヤー錠を切る場合には、ワイヤーカッターまたはボルトカッターが一般的に使用されます。まずはこれらのツールを用意しましょう。
2.鍵を切断する箇所の選定
鍵を切断する際は、鍵の切れ目やワイヤー錠の一番脆弱な箇所を見つけることが重要です。通常、鍵の根元やワイヤー錠の鍵穴の近くが切りやすい部位となります。
3.鍵を切断する
ツールを使って鍵を切断する箇所をしっかりと挟み、力を入れて切断しましょう。ワイヤーカッターやボルトカッターは十分な切断力を持っているため、比較的容易に鍵を切断することができます。
ワイヤーをカットして開錠する方法は、鍵穴が壊れた状態でも効果的な解決策です。しかし、ワイヤーをカットすることで錠として使用することができなくなるため、予備の錠を準備する必要があります。
なお、鍵をカットする際には以下の点に留意することも重要です。
・周囲の安全確保
鍵を切断する際には、周囲の安全を最優先に考えましょう。鍵が飛び散ったり、周囲の人や物に被害を与えないように注意しましょう。
・鍵の交換と修理
鍵を切断した後は、新しい鍵の入手や修理を検討する必要があります。自転車のメーカーや鍵専門の店舗に相談し、鍵の交換や修理に関するアドバイスを受けることをおすすめします。
・予防策の検討
自転車の鍵が壊れる状況の再発を防ぐために、適切な予防策も検討しましょう。頻繁に使用する鍵は耐久性のあるものを選ぶ、鍵の保管方法に気を付ける、定期的なメンテナンスを行うなどの対策が有効です。
鍵を確実に解錠したいのであれば、鍵屋に依頼することをおすすめします。鍵屋は鍵に関する専門知識と技術を持っているため「鍵を壊したくない」「短時間で鍵を開けて欲しい」という場合に効果的な方法です。
鍵屋に依頼する際の手順は以下の通りです。
1.Webや電話帳で鍵屋を探す
インターネットや電話帳などで鍵屋を探しましょう。口コミや評価も参考にして、信頼性の高い鍵屋を選ぶことが重要です。
2.鍵屋に連絡と相談をする
鍵屋に電話やメールで連絡し、状況を説明しましょう。鍵の種類や問題の状況を詳しく伝えることで、的確なアドバイスや対応を受けることができます。また、修理や交換の必要性や費用についても相談しましょう。
3.出張や持ち込みの手続きを行う
鍵屋との相談の結果、出張修理や持ち込み修理が必要となるかもしれません。その場合、日程や場所を調整し、修理作業を進めることになります。鍵屋によっては、特定のブランドやタイプの鍵に特化した修理サービスを提供している場合もあります。
4.修理作業と費用を確認する
鍵屋が壊れた部品の交換や調整を行い、鍵の修理を行います。修理にかかる費用は、鍵の状態や修理内容によって異なります。修理前に料金についての見積もりを確認し、納得のいく範囲で修理を進めましょう。
鍵の修理や交換に関する費用は一般的に相場が存在しますが、具体的な料金は鍵の種類や修理内容によって異なるため、事前に鍵屋に修理費用の見積もりを依頼しましょう。
また、鍵屋に依頼する際は、口コミや評判を調べるだけでなく、修理の実績を確認することもおすすめです。
以下では、自転車の鍵の調子が悪い時におすすめの対処法を解説します。定期的なメンテナンスや簡単なケア方法を試してみることで、鍵の動作を改善させることができます。
鍵がスムーズに回らない場合、以下にご紹介する鍵の入れ方を試してみてください。
1.鍵の向きを確認する
鍵には向きがありますので、正しい向きを確認しましょう。鍵の先端が自転車のロックに対して正しく配置されていることを確認します。
2.鍵をしっかり挿入する
鍵が浅く挿入されていると正しく開閉しない場合がありますので、鍵を鍵穴にしっかりと挿入します。
3.適切な角度で回す
鍵を挿入したら、適切な角度で回転させます。通常、時計回りまたは反時計回りに回すことで、ロックを開けたり閉めたりすることができます。
4.必要に応じて力を加える
鍵の回転がスムーズに行われない場合、適度な力を加えて回してみてください。ただし、無理な力をかけると鍵やロックが壊れる可能性があるので注意が必要です。
正しい鍵の入れ方を守ることで、自転車の鍵の調子を良好に保つことができます。もしも鍵の入れ方にかかわらず鍵がスムーズに動作しない場合は、他の対処法を試してみるか、鍵屋などの専門家に相談することをおすすめします。
自転車の鍵が開かなくなった場合、鍵穴にごみが詰まっていることが原因である可能性があります。鍵穴のごみを掃除するには、以下の手順に従ってください。
1.鍵穴にエアダスターを吹き付ける
2.鍵穴に綿棒を差し込んで、ごみをかき出す
3.鍵穴に潤滑油を吹き付ける
なお、鍵穴のごみがひどく詰まっている場合は、自転車屋や鍵屋に依頼して、掃除してもらうことをおすすめします。
自転車の鍵が壊れたとき、自分で解錠を試みることもできますが、難しい場合は鍵屋に依頼することをおすすめします。鍵屋は、自転車の鍵の種類やメーカーを問わず、さまざまな鍵を開けることができます。また、鍵を紛失した場合でも、新しい鍵を作成することができます。
以下では、鍵屋に依頼する場合の相場やメリット、適切な鍵屋の選び方についてご紹介します。
基本料金と作業料金を合わせた金額が約3,000円から1万円程度とされています。ただし、これは一般的な自転車の鍵の解錠の場合であり、特殊な鍵や困難な状況では料金が高くなることがあります。
鍵屋に依頼する場合、鍵の種類や状態、解錠の難易度、作業時間などが料金に影響を与えます。また、深夜や休日に依頼する場合は追加料金が発生することもあります。したがって、具体的な料金については、鍵屋に直接相談し、見積もりを依頼することが重要です。
自転車の鍵が壊れた際に鍵屋に依頼すると、以下のようなメリットがあります。
・専門知識と技術を持っている
鍵屋は鍵に関する専門知識と豊富な経験を持っています。異なる種類の自転車の鍵に対応できるため、状況に応じて迅速に解錠や修理を行うことができます。
・工具を用意する必要がない
自力で自転車の鍵を解錠しようとすると、専用の工具を準備しなければいけません。鍵屋であれば、鍵の解錠や修理に必要な適切な道具や機材を持っています。特殊な鍵穴や複雑な構造の鍵にも対応できるため、自分で解錠が難しいケースにも対応が可能です。
・迅速に対応してもらえる
鍵屋に依頼するとサイクルショップなどに比べて費用は若干高めです。しかし、自転車が動かせない状況で、近くに自転車ショップなどがない場合も考えられます。そのような時も、鍵屋であれば出張してくれるため急いでいる場合や緊急を要する場合でも、迅速な対応を期待することができます。
以下に、鍵屋を選ぶ際のポイントをご紹介します。
・実績と経験がある
信頼できる鍵屋を選ぶためには、経験豊富な業者を選ぶことが大切です。口コミやレビューを参考にすることで、信頼性の高い鍵屋を見つけることができます。
・迅速に対応してくれる
鍵が壊れた場合は、できるだけ早く解決することが望まれます。素早い対応力を持つ鍵屋を選ぶことで、困った状況をスムーズに解決することができます。
・適切な料金設定をしている
鍵屋に依頼する際は、複数の鍵屋の料金を比較して適正な価格設定を行っている業者を選ぶことが重要です。明確な料金体系を持つ鍵屋を選ぶと、予想外の追加費用や高額な請求を避けることができます。
・対応エリアと営業時間を確認する
自宅や通勤経路の近くにある鍵屋や、24時間対応している業者を選ぶことで、利便性が向上します。
・ライセンスや保証を確認する
鍵屋の選択肢を絞る際には、ライセンスを持っているかどうかや、修理や解錠の保証を提供しているかどうかも確認しましょう。適切な資格を持ち、保証付きのサービスを提供する鍵屋を選ぶことで、信頼性と安心感が得られます。
これらのポイントを考慮しながら、自転車の鍵が壊れた場合に頼れる鍵屋を選びましょう。
いくつかの予防策を講じることで、鍵が開かないトラブルを防ぐことができます。以下では、その方法をご紹介します。
自転車の鍵が開かないトラブルを避けるためには、鍵を雨風から適切に保護することが重要です。雨や風にさらされると、鍵の内部に水や埃が侵入し、動作に支障をきたす可能性があります。
対策としては、まずは自転車を屋内や屋根のある場所に保管することをおすすめします。自宅やオフィス、駐輪場など、できるだけ屋根のある場所を利用しましょう。屋外に駐輪する際には、自転車用のカバーや防水シートを使用することで、鍵を守ることができます。
また、鍵自体も防水性の高いものを選ぶことが重要です。防水加工が施された鍵や、シリンダー部分がしっかりとカバーされた鍵などを使用することで、雨水や湿気の影響を受けにくくなります。
鍵穴にオイルを塗ることで、鍵がスムーズに回り、開けやすくなります。オイルをこまめに塗ることで、鍵穴の摩耗を防ぎ、鍵が開かなくなるトラブルを防ぐことができます。
オイルを塗る際には、鍵穴に少量のオイルを吹き付けます。オイルを吹き付けたら、鍵を数回回してオイルをなじませます。
鍵の種類によって適したオイルが異なりますので、事前に確認しておきましょう。
トラブルが起こる前に、スペアキーを作成しておくと安心です。
鍵屋に依頼することで、鍵の種類に合わせてスペアキーを作成してもらうことができます。
キーレスタイプの鍵は、従来の物理的な鍵ではなく、暗証番号を入力することで開閉できるタイプの鍵です。
キーレスタイプの鍵であれば、物理的な鍵を持ち歩く必要がないため鍵を紛失することがありません。暗証番号が分からなければ解錠できないため、セキュリティ面でも優れています。
自転車の鍵が開かなくなった場合、まずは冷静に対処法を考えることが重要です。
自転車の鍵を紛失したり、壊れてしまった場合は、工具があれば自分で改善できるケースも少なくありません。しかし、防犯性の高い鍵の場合、自分で解錠することは困難です。
そのような時は、実績や信頼性の高い鍵屋に依頼することをおすすめします。鍵の解錠や修理の専門家である鍵屋に依頼することで、スムーズに解決できるでしょう。
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※1 調査方法:インターネット調査、調査期間:2020年12月23日~25日、調査概要:住まい・暮らしのトラブル10社を対象としたサイト比較イメージ調査、調査対象:全国の20代~60代の男女1080名、アンケートモニター提供元:ゼネラルリサーチ