2023年9月1日
2023年9月1日
津久井 勝
株式会社スマイルレスキュー
代表取締役
防犯設備士の資格所持はもちろん、鍵トラブル解決歴20年以上の経歴を持つ。現在は住まい系トラブル解決サービスを行う会社を経営中。
観葉植物や庭木に被害を及ぼすコナカイガラムシに困っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、コナカイガラムシの生態や特徴について解説し、発生しやすい環境や植物への定期的なチェック方法などについて詳しくご紹介します。
大切な観葉植物に小さな白い粒がついているのを見かけたら、それはコナカイガラムシかもしれません。コナカイガラムシは、植物から栄養を奪い取るうえに繁殖力も高く、病原菌も媒介する厄介な害虫です。コナカイガラムシは完全に駆除しなければ何度でも再発するため、早期に発見して適切に駆除する必要があります。そこで以下では、日本で多くの被害を出しているコナカイガラムシについて、基本情報から駆除・予防する方法まで詳しく解説します。
コナカイガラムシは、植物や農作物に被害を与える小さな害虫です。完全な駆除を目指すには、何を餌としているのか、どこから発生するのかといった特徴を知る必要があります。そこで以下では、コナカイガラムシの生態や発生源について詳しく解説します。
コナカイガラムシの生態や特徴は以下の通りです。
1.体長
成虫でも最大で1~4mm程度の大きさです。
2.体色
体全体が白い綿毛のような体毛で覆われています。
3.食性
植物の茎や葉から栄養の含まれている液を吸汁します。被害を受けた植物は徐々に衰弱していきます。
4.活動時期
年間を通して活動はしていますが、特に気温が上がる春から夏にかけての活動が活発になります。
5.生育サイクル
コナカイガラムシは一回の産卵で500個ほどの卵を産みます。1~2週間で孵化し、1ヶ月ほどで成虫になります。
6.寿命
種類にもよりますが、メスは70日間ほど生存します。一方、オスの成虫は、メスを受精させることが目的なため、2日程度しか生存できません。
コナカイガラムシの被害は、輸入植物や庭園に新しく植えた植物から広がる可能性が高いです。新しい植物を購入する際には、葉の裏側や茎などを特によくチェックするよう心掛けましょう。
コナカイガラムシは温暖な環境を好む生き物で、冬季に温室で増殖し、春に屋外の植物へと広がる傾向があります。温室や室内の植物も発生源になる可能性があるため注意が必要です。
その他にも、風に乗って庭へ侵入することや、人間やペットの衣服に付着して新たな場所に移動することもあります。
コナカイガラムシは昆虫の中でも生命力が強く、気温や湿度に左右されずに繁殖するため、一旦発生すると駆除が難しくなります。コナカイガラムシの被害を最小に抑えるには、早期発生したサインを早期に発見し、適切な対策を講じることが重要となります。以下では、コナカイガラムシが観葉植物などに発生したときに現れるサインについて解説します。
コナカイガラムシは、高温・高湿の環境を特に好みます。温度は25~30℃、湿度は80%以上が最適とされています。また、直射日光を嫌う性質があるため、植物の下面や葉と葉の間、果実の周りなど、日陰になりやすい場所に多く見られます。
特に夏季の高温多湿な時期や、植物が密集し過ぎて風通しが悪い環境は要注意です。また、室内栽培や温室では年間を通じて発生する可能性があります。これらの状況に対して事前に対策を立てることで、コナカイガラムシの発生リスクを減らすことが可能です。
観葉植物などでも、コナカイガラムシの発生が疑われるサインが見られることがあります。コナカイガラムシは、葉の裏や茎の部分など、人目につきにくい場所に生息しています。大量に発生する傾向があるため、見慣れない白い物体が固まって付着していたら要警戒です。
また、コナカイガラムシは蜜露を出すことで知られています。蜜露はアリを引き寄せたり、すす病の原因となります。植物の周りにアリが寄ってきたり、黒い斑点(すす病)が見られたりしたら、コナカイガラムシが発生している可能性のあるサインです。
コナカイガラムシの被害を受けると、植物には多岐にわたる影響が現れます。主な症状としては、葉や茎が黄色く変色する、ベトベトとした物質が表面に見られるなどが挙げられます。
しかし、コナカイガラムシの被害はこれだけにとどまらず、さらに深刻な問題を引き起こすことがあります。
以下では、コナカイガラムシによる具体的な被害とその二次的な影響について、詳しく解説していきます。
コナカイガラムシが植物に与える被害は、非常に多種多様です。コナカイガラムシは、植物の葉や茎に寄生し樹液を吸い取ります。樹液を吸い取られた植物は、必要とする栄養素が不足してしまい、成長を阻害されるだけでなく、最悪の場合には枯死させることすらあります。植物の葉が黄色くなったり、ベトベトとした物質が現れたり、直物の葉が黄色くなった場合は、コナカイガラムシの被害の可能性が高いと考えるべきです。以下では、コナカイガラムシが植物に与える被害について詳しく解説します。
すす病は、コナカイガラムシが排泄する糖分の塊にカビが生えることによる病気で、植物に黒いすすのようなカビが付着します。コナカイガラムシは植物のアミノ酸を吸い取り、糖分を体外に排泄するため、この排泄物がすす病の発症の原因となります。放置すると植物の光合成が阻害され、生育が妨げられてしまいます。
こうやく病もまた、菌が原因で発症する病気です。こうやく病の原因となる菌は、コナカイガラムシと共生しています。コナカイガラムシからこうやく病菌が植物に寄生すると、コナカイガラムシの排泄物を餌にして繁殖します。こうやく病に感染すると、枝や幹などに、まるで膏薬を塗ったかのように菌が生えることから「膏薬病」と呼ばれています。
コナカイガラムシの発生は、アリやアブラムシを引き寄せる現象と密接に関連しています。
アリはコナカイガラムシが排泄する糖分を餌としています。排泄物でアリを集めることで、コナカイガラムシは外敵から身を守る事ができるため、お互いに共生関係にあります。
しかし、この共生関係は、植物にとっては必ずしも良いわけではありません。アリ自体は植物を食害することはないものの、コナカイガラムシの天敵であるテントウムシからコナカイガラムシを守る行動を取ります。
また、アブラムシはコナカイガラムシと同様に植物の液を吸い取り、すす病などの病気を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
コナカイガラムシ対策では、早期発見と早期駆除が最も効果的ですが、一度にすべてを駆除するのは困難なため、何度か繰り返す作業が求められます。
駆除方法はコナカイガラムシの生育段階や状態に応じて異なるため、その生態をよく理解した上で、適切な方法を選択することが大切です。具体的な駆除方法について、以下で詳しく解説します。
コナカイガラムシを駆除する際は、まず、成虫か幼虫かを確認しましょう。成虫のコナカイガラムシは、白い粉をまとっています。これは一種の防御膜で、外からの攻撃を防ぐ役割を果たしています。そのため、成虫に対しては、物理的な方法での駆除が効果的です。一方、幼虫のコナカイガラムシは、白い粉を纏っていないため薬剤による駆除が可能となります。幼虫と成虫では駆除方法が異なるため、それぞれの状態を見極めてから、適切な手段を選ぶことが重要となります。
牛乳を使った駆除は、手軽に始められるうえに自然環境への配慮も可能な方法です。
使用する牛乳は脱脂粉乳や生乳など特に種類を問わず、身近に手に入るもので大丈夫です。牛乳をスプレーボトルに移し、コナカイガラムシが見つかった植物に吹きかけます。この際、葉の表面だけでなく裏面も忘れずにスプレーしましょう。
牛乳に含まれる脂肪分がコナカイガラムシの呼吸を阻害し、駆除効果が期待できます。また、植物に対しても無害なため、安心して使用できます。
ただし、駆除後に牛乳をそのままにしておくと、嫌な匂いが発生したり、植物に害が及んだりする恐れもあるので、駆除後はしっかりと水で牛乳を洗い流しましょう。
木酢液は、木材を燃やした際に出る煙を冷却した液体で、様々な成分が含まれています。中でも酢酸やギ酸は強い殺菌・抗菌作用を持ち、コナカイガラムシに対する駆除効果が期待できます。
木酢液は市販のものを購入し、水で100倍に薄めたものをスプレーボトルに入れ、コナカイガラムシがついている植物全体に吹きかけます。週に1回程度この処理を行うことで、コナカイガラムシの駆除と再発防止が期待できます。
ただし、木酢液は濃度が高すぎると植物に影響を与える可能性があります。適切な濃度に薄めたものを使用し、植物の健康にも配慮して駆除を行いましょう。
コナカイガラムシの成虫は、白い粉状の物質で覆われているため殺虫剤が効きません。しかし、幼虫には体を保護する白い粉がないため、殺虫剤で簡単に駆除することが可能です。殺虫剤を使用する場合は、孵化したばかりの5~7月頃が効果的です。
歯ブラシやヘラを使って虫をこすり落とす方法は、コナカイガラムシの被害がまだ始まったばかりの段階、もしくはコナカイガラムシの数が少ない場合に効果的です。
まずは、使い古しの歯ブラシや小型のヘラを用意します。植物の葉や茎についているコナカイガラムシを優しくこすり落とします。力を入れすぎると植物自体を傷つけてしまう可能性があるので、丁寧に作業を行いましょう。
作業を行った後は必ず手洗いをして、他の場所へのコナカイガラムシの移動を防ぎます。手間がかかるものの、薬剤を使用せずにコナカイガラムシを駆除することができるので、自然に優しい対策と言えるでしょう。
コナカイガラムシが大量に発生し、すでに植物全体に広がってしまっている場合は、葉や茎を切り落とす方法も有効です。大切な植物を剪定するのは心苦しいかもしれませんが、感染源となる部分を取り除くことで、被害を食い止めることが可能です。
はさみや剪定鋏を使用して、コナカイガラムシが発生している部分を切り取りましょう。切り取った後は、虫が飛び散らないように袋に入れて、家庭ごみとして捨ててください。
はさみや剪定鋏は使用後にきちんと洗浄し、コナカイガラムシの移動を防ぐことが重要です。切り取った後の植物は一定期間観察し、新たな発生がないか確認しましょう。
コナカイガラムシが発生してから対策を行うのは大変ですし、なるべく発生しないよう予防することが理想的です。予防法もしっかりと把握しておくことで、コナカイガラムシの発生を抑えることが可能です。
コナカイガラムシの予防の一つとして、事前に薬剤を散布する方法が挙げられます。過去にコナカイガラムシの発生があった場合や、周囲の植物にコナカイガラムシが見られる場合に効果的です。殺虫剤を散布する際は、葉の裏側も忘れずに行いましょう。葉の裏はコナカイガラムシが好む場所であるため、特に注意が必要です。
新しい植物を購入する際も、コナカイガラムシの発生を予防するために注意が必要です。購入前には植物の葉の裏や茎をよく観察し、コナカイガラムシや他の害虫の存在をチェックしましょう。コナカイガラムシが付いている植物を自宅に持ち込むと、他の植物に感染するリスクがあるためです。
また、購入する場所の選定も重要なポイントとなります。信頼できる店舗、あるいは自分自身で害虫対策をしっかりと行っているところからの購入がお勧めです。
コナカイガラムシは湿度が高く、風通しが悪い環境を好みます。風通しを良くすることで湿度を下げることができ、コナカイガラムシの発生を抑制できます。
風通しの良い場所で育てると、植物の健康状態が保たれ、害虫から身を守る力が高まります。しかし、風通しが過ぎると植物が風害を受けることがあるので、適度な風通しを心掛けましょう。
植物の定期的なチェックも重要です。コナカイガラムシを早期発見することで、被害を最小限に抑えることができます。
具体的には、植物の葉裏や茎、つぼみ周辺など、コナカイガラムシが好む場所を特に丁寧に観察しましょう。白い粉塵のようなものやベトベトしている液、黒いすす病菌などが見つかった場合は、コナカイガラムシが発生している可能性があります。
週に1回程度のチェックが理想的ですが、新しい植物を追加した場合や、活動が活発化する夏季はチェックの頻度を上げましょう。
コナカイガラムシの被害は、早期に発見し適切な対策を施せば、最小限に抑えることができます。
コナカイガラムシの生育段階によって適した駆除方法が異なるため、どの段階のコナカイガラムシに対してどういった対処をすべきかの理解が重要となります。さらに、被害の拡大を防ぐためにも、定期的な植物チェックを行うことが欠かせません。植物の状態をこまめに観察し、早期に対策を講じることで、悪化を未然に防ぎましょう。
「スマイルレスキュー」は、日常生活で起こるさまざまな住まいのトラブル解決に特化した会社です。鍵開け・修理・交換をはじめ、水回りのトラブル解消、ガラスの修理・交換、不用品回収やゴミ屋敷清掃、屋根や雪のトラブル解消、害虫害獣の駆除など、その対応サービスは多岐にわたります。
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